愛犬に安心してお留守番がさせられない飼い主さんが意外と多い
飼い主さんたちが抱える愛犬の問題行動(と呼ばれるもの)の代表は
・吠える
・他人や他犬を噛む
・トイレを失敗する
・散歩中強く引っ張る
これらがその代表です。
この他に意外と多いお悩みが
愛犬に安心してお留守番をさせられない、というお悩みです。
どうしてもお留守番が長くなる現代の日本では、数時間飼い主と離れることは普通のこととなっています。毎日安心して仕事にでかける為に愛犬にどうしてあげたらよいのか、紐解いていきましょう。
お留守番ができない犬は一人きりになるとどうなってしまうのか

一人になることに慣れていない、一人が嫌いな愛犬たちはお留守番で一人きりになるとどのような振舞いをするのでしょうか。
- 飼い主さんが姿を消すと鳴き続ける、吠え続ける
- ハウス(ケージ・クレート)の中に入りたがらない、入るが大人しくできない
- フリーの状態で留守番をし、部屋中の家具やものをイタズラする
- フリーの状態で留守番をし、トイレをあらゆるところでしてしまう
こういったことが挙げられます。
吠え続けることで、近隣住民から苦情を受けている飼い主さんから、相談を受けることもあります。
「ハウスに入りたがらないのでペットホテルなどに預けられない」「フリーの状態にしかしたことがないので、イタズラをどうにも防ぐことができない」と嘆く飼い主さんもいらっしゃいます。

犬の留守番のしつけ@飼い主が姿を消すと吠え続ける場合

という場合に、留守番が出来る様になるしつけとして、どの様なステップで考えるべきですか?

もっと寂しがり屋で、他の部屋に行くだけで鳴いてしまう場合は、普段一緒の部屋にいるときでさえ、ワンちゃんを「見ない・構わない」時間帯をほんの数分から増やしていきましょう。
家の中でも相手にしてもらえない場合もあると、理解してもらわないといけません。
いきなり長時間お留守番をさせるとワンちゃんたちの負担が大きいので、小さなステップから練習することが望ましいでしょう
犬の留守番のしつけ@ゲージの中に入りたがらない・入るが吠え続ける場合

に関してはどうでしょうか?

自分がテレビを見ているときなど、何気ないときにも入れるようにして、フリーのときとのタイミングやギャップを無くしていくとワンちゃんの心は落ち着きやすいです。
ハウスに入った時だけもらえるガムやおもちゃなど、用意しておくとよりイメージがよくなるでしょう。
タオルや毛布など、掛け布をするとより落ち着きやすいです。
犬の留守番のしつけ@フリーの状態で留守番をさせたい場合

この場合は、始めのうちは勇気を持ってフリーの状態で留守番をさせながら徐々にいけない事を学習させるのが良いでしょうか?

トイレをしっかり覚えてるワンちゃんならフリーにしてもよいですが、誤飲誤食に繋がるものはすべて取り払うべきです。
全ての部屋に対してそれが無理な場合は、ハウスでなくても、扉か、ご自身で柵のようなものを用意してやはりある程度行動範囲をコントロールしましょう。
トイレがうまくできないワンちゃんは
やはりハウスに入れるなど、より行動範囲を制限すべきでしょう。

特に吠える事もなく、諦めたようにおとなしく寝ていてくれます。
でも、可能であればフリーの状態で留守番ができるようになると良いと思うのですが、
コードを噛んだり、色々と物色やイタズラをするのでできていません。
なので、是非参考にさせて頂きたいと思います。
まずは飼い主さんが犬を一人にする勇気をもちましょう

私はペットホテルでもドッグトレーナーとして勤務させていただく日があります。
その際、愛犬と「今生の別れ」を惜しむかのように挨拶をして離れる飼い主さんたちも少なくありません。
そのようにして置いてかれた愛犬はより不安に思うはずです。
逆に数秒で預けて帰られる飼い主さんのワンちゃんの方が、すぐにペットホテルのスタッフと仲良くなり、飼い主さんに対して後ろ髪をひかれることなくスムーズに預けられていきます。
これは、散歩後の足ふき、ブラッシング、爪切り、ハウスに入れるなど、「食事」「遊び」のようにあまり喜ばしくないであろうことを犬に強いるときと同じなんです。
先だって飼い主さんが不安になっていることが、それを拒否するようになってしまう要因の一つとなります。
「今から怖いことやるよ~」「大丈夫かな~」「ごめんね~」と言えばそれは不安を煽ることになるでしょう。
すべて愛犬を管理する上では必要なことであるため、淡々としたマインド(心の状態)でそれらをすれば、意外と耐えてくれるものです。
ですから毎日お留守番をさせないといけないのならばそれ相応のマインドで、あまり濃厚な挨拶はせず、外出&帰宅をしないと愛犬の不安や寂しさを助長することになるので、避けるべきでしょう。
犬のお留守番に関してよくある勘違いとは?

犬同士の仲間たちがいれば寂しくないのかも!?
愛犬を一頭だけで飼っている飼い主さんの中には「もう一頭いれば寂しくないかも」と思い、犬をもう一頭迎え入れるという方がいらっしゃいますが、その多くは「間違い」です。
愛犬は「あなた」という飼い主さんがいないことに不安を覚えるのですから、犬が一頭増えても関係ありません。
それどころかもう一頭不安がる愛犬が増えてしまう恐れもありますから、安易に犬を新たに迎え入れることは良い策ではありません。

一頭では、寂しいと思って安易に多頭飼いをするのはもしかすると、余計に先住の愛犬のストレスを増やしてしまう事もあるので愛犬ファーストで良く考える必要がありますね。
犬の多頭飼いについては、実際に今多頭飼いをしている犬の飼い主さんにインタビューをした下記の記事も参考に!
留守番時に愛犬をハウスに入れると狭くてかわいそう!?
どんなにフリーにお留守番させても、一人切りの愛犬が部屋のど真ん中で足を広げて眠ることはまずありません。
ソファが真ん中でも、自分よりも背の高い支えとなる背もたれがあったり落ち着く「へこみ」があったりすれば、それを利用して休むはずです。
ソファなどがない場合は壁にもたれたりイスの下にもぐったりして休みます。
つまり少し暗くて狭くて安心できる場所を犬は好みます。
POINT
3時間くらいならクレートに入れておいてもなんら問題はありませんので、フリーにしてイタズラしてしまったり、トイレをそこら中にしてしまう場合は、クレート、またはケージに入れるようにしましょう。
長時間お留守番ができる様にしつける為には準備が必要

長時間のお留守番は、「させないに」こしたことはない
お留守番をさせないといけない場合は、今挙げて頂いたことを心がけて実践するべきなのですが、させなくても済むならお留守番をさせないにこしたことはありません。
なるべく早く帰る、ちょくちょく帰る、ペット保育園に預ける、ペットシッターを使用する、、、などです。
それが現実的でない、という場合はお留守番をさせる為の「準備」を愛犬にしてあげることが不可欠となります。
出かける前や帰宅した後、休日に十分に運動&ケアをさせる
これから何時間も一人になる犬にとっての大敵は「暇でさみしいと思う時間」です。
アクティブな犬種であるほどそれを考えてあげないといけません。
出かける前に外に連れ出し、トイレをさせ、運動をさせ、ご飯をあげて「あー疲れた、お腹もいっぱいだし、ひと眠りするか」と思わせてから出かけることが長時間お留守番をさせる飼い主さんの務めです。
帰ってきたあとも、やはり長い散歩や遊びにでかけてあげるべきでしょう。
それでもこのような生活サイクルでは新鮮な風や日光を浴びる機会がありません。
人間同様、日光から得る栄養は非常に重要です。
休日の日光が降り注ぐ時間帯に外に連れ出してあげましょう。
噛んでもいいおもちゃや知育玩具を置いてでかける
当然ぶっ続けで眠り続ける犬は老犬くらいしかいないので、日中「暇だな~」と思ってしまう時間がまためぐってきます。そんなときに、フードやオヤツが入っていて、転がしたりするとその食べ物が出てくる知育玩具を、タイプ別においてあげると、暇も食欲も満たせるので効果的です。
食べ物が入っていなくても、誤食の心配が無い硬くて噛んで面白いおもちゃも容易してあげましょう。噛み噛みすることで安心感を得るパピーには特に効果的です。
家に一緒にいるときも愛犬とベタベタしすぎない
一緒にいるときもお互い「一人になる時間」を大切にしましょう。
お留守番時と一緒にいるときのギャップが激しければもっとお留守番ができなくなってしまいます。
愛犬と一緒の部屋にいたとしても、終始触っていたり、話しかけたり、目を見つめたりしないことです。
これはお留守番を長時間させる必要のないご家庭も、万が一お留守番をさせないといけない時のためにも同じように振舞っておくべきでしょう。
犬の分離不安という言葉

分離不安という言葉が最近は横行しています。
冒頭でも述べたように、飼い主さんが愛犬に対してお留守番をさせる、一人で大人しくできるための準備、飼い主さん側の心構え、安定したマインドがない状態なので、うちの子は「分離不安」ですと表現してしまうことを多々目にしてきました。
愛犬が「分離不安」なのではありません、多くは飼い主さんが不安がったり単純に寂しがったりして、それらが犬に伝染していきます。
今まで述べたきたような十分な準備をすれば、飼い主さん自身が「これならうちの子はお利巧にしてくれるはずだ」という良いマインドができ、それが愛犬に伝わり、信頼感となり、一人になれるようになっていくでしょう。
犬によっては例外もある|犬の留守番のしつけ時の注意点
クレートやケージに入れてあげるのは、犬を落ち着かせるための最善策として日々勧めているのですが、やはり飼い主さんのマインドとは関係なく、パニックを起こし、クレートの扉を破壊して脱走してしまうような犬たちもいます。
もちろん災害が多い日本ではクレートにいれないといけなくなる状態になってしまうことも考えられます。
その為そういった愛犬がいる場合は、人が見てあげられる状況下で、クレートに入れて、オヤツをあげたり、なだめたりして、まずは数分でも我慢できる練習をする必要があるかと思いますが、やむを得ずお留守番をさせるときは、フリーの状態にしてあげて、犬用のベッドや扉が開いた状態のクレートやケージを起き、犬が入りたいときは入れるようにしてあげましょう。
そうしないと、口の中や足先を痛々しいほどに傷つけてまで脱走するような犬も稀にいるからです。
フリーにしてお留守番をさせるときには、もちろん出かける前に上記で述べたような準備をしっかりした上で、イタズラができなくなるようにゴミ箱などは棚の上にあげたり、誤飲誤食につながるような危険やものがないように、しっかり整理整頓するべきでしょう。
また、ある程度犬が入れる部屋を制限するために、他の部屋の扉はしっかり閉めたり、ベビーゲートや柵を用意しましょう。
犬のお留守番についてまとめ

犬を飼うための「正しい管理」はイコール「真の愛情」なのだと私は考えます。
だけどその前に、飼い主として自分にまずこんな問いかけをしてみませんか。
愛犬を余計に不安がらせる様な振る舞いをしてしまっていないだろうか?
⇒ゴメンね~、我慢してね~、怖かったね~、痛かったね~など自分の不安が愛犬に伝播する様な振る舞い
そもそも、問題行動を起こさない為の工夫や出来る範囲での策は講じているか?
⇒退屈をさせない為の工夫や留守番前に散歩をさせて疲れて眠れる状態をつくるなど
冨塚トレーナーのアドバイスにも、
『飼い主さん側の心構え、安定したマインドがない状態なので、うちの子は「分離不安」ですと表現してしまうことを多々目にしてきました。』
とありました。
ペットは家庭の中を明るくしてくれますし、見ているだけで可愛いですよね。
親ばかならぬ、飼い主バカになる事もありますし、それはある部分良いのだと思いますが、
それはそれとして、
『犬の飼い主としてのマインド』というモノが必要であるという事はとても重要な事だと思いました。
その為にも、犬の飼い主として犬という動物を理解する事が必要ですし、
その為の知識は少しずつ学び続ける必要があると思います。
私も犬を実際飼うまでは、そこまで考えていませんでした。
ただ、可愛いという気持ちで可愛がるという考え方だっと思います。
このブログを始めて、そしてトレーナーや獣医師の先生のアドバイスを聞く中で、飼い主としての意識改革が行われたと感じています。
今後も、犬の飼い主に本当の意味で役に立つ情報をお届けできたら幸いです。