ドッグトレーナーが教える!犬のトイレのしつけ方法

ABOUTこの記事をかいた人

千葉県船橋市を中心に、ドッグトレーナー・ペットシッターのBandeを立ち上げあ活動するかたわら、フリーのトレーナーとして、同じく船橋にある犬の総合施設(ホテル、学校、保育園)のスタッフとしても所属。 数年前から動物愛護先進国であるドイツの動物保護施設へ足を運び、現地のドッグトレーナーとも交流。長年の夢だったイギリスの牧羊犬競技会を見に行く事を2017年に実現。 「しつけにお困りかたはもちろん、特に困ってはいないけど、もっともっといろんな事を教えたい!という方も、お気軽にトレーニングをお申し付けください。」
うたパパ
愛犬がなかなかトイレを覚えてくれない。
犬のトイレトレーニングをしても失敗する
といった、犬のトイレのしつけやトレーニング方法に関する悩みも多いですね。

独自に調査したアンケートによると、
トイレシートの上だとしない
散歩に行った時にしかトイレをしない

などの悩みもありました。

今回はドッグトレーナーの先生にトイレのしつけに関して
飼い主が知っておくべき事をまとめてもらいました。

飼い主として愛犬と快適に過ごせる様
ドッグトレーナーが教える犬のトイレのしつけの方法や考え方を学んでみましょう!

ドッグトレーナーが教える犬のトイレのしつけ方法

犬のトイレのしつけ

ドッグトレーナー冨塚あすか

犬のしつけのご相談では、トイレ・吠え・噛みは、お困り事の代表です。
そしてその中でも「トイレ」というのは、一日数回、そして毎日あることなので、しつけがうまく行かないときの飼い主さんのストレスは計り知れません。
しかしながら、トイレをしっかり覚えてもらうことができればお散歩・お留守番・おでかけ・遠方への旅行など、犬とできることの選択肢を増やすことができるんです。

犬がトイレを失敗した時の飼い主の対処法

トイレではない所で激しく地面の匂いをかぐ、腰を落とす、くるくる回る、おしっこやうんちをし始めてしまったとき、その場に居合わせているなら叱っても良いです。

短く大きい声で「コラッ」「ダメ」「NO」などです。

その後、トイレへ連れていきましょう。
片づけるときは静かに犬に特に気を配ることもなく、何事もなかったように片づけましょう。

粗相したおしっこやうんちはすべて片づけてしまわずに、正しいトイレへの「匂いつけ」に利用しましょう。

粗相してしまう場所はあらゆるところ、というのは案外少なく
リビングの端・テーブルの下・ソファの上・クッションや毛布の上など、です。

一度粗相した際の足の裏の感触を覚えてしまいそれがきっかけとなり粗相にいたることがあるようです。

また、落ち着いてできる暗い場所や端っこである場合が多いので、粗相した後はそこに行けないようにしたり、クッションや毛布を片し、片づけられないものは匂いをしっかりとるような掃除を施しましょう。

犬のトイレのしつけ方法~正しい対処法

犬がトイレをしたくなるタイミングを把握する

犬がトイレをしやすいタイミングを挙げましょう
1)朝起きたとき
2)ご飯を食べたあと
3)水をたくさん飲んだあと
4)飼い主の帰宅に反応して少し興奮して動き回ったりした直後
5)散歩している途中、特に電柱や塀、草むらの匂いを嗅いだあと
6)昼寝して起きた直後(特に仔犬)
7)運動をしたあと
8)夜寝る前

どうですか?よく考えれば当然ですね、人間のパターンに似ています。

今挙げたタイミングでトイレにつれていき、できたらたくさん褒めてください。オヤツをあげても効果的です。

起きている間、トイレの回数は子犬であれば2~3時間のスパンで5,6回、成犬であれば5~6時間のスパンで2,3回の回数させるのが普通です。成犬の場合は10時間以上、平気で我慢してしまう犬がいますが、我慢できることがすごいわけではなく無理をしている場合もありますので、もう少し短めのスパンでトイレをさせられる環境を用意するのが理想的です。
トイレは外でも中でもできるのが一番です。中でしかできないしつけはお勧めしません。犬の習性上衛生的ではありません。お住まいの環境に合わせて犬に負担のないよう考えましょう。

うたパパ
あらかじめ犬がトイレをしたくなるタイミングを把握しておいて、その時間にトイレに連れて行く。
そして、おしっこやウンチをして、トイレが上手にできたらしっかりと褒めてあげる事が大事なんですね。

わが家のうたの場合、トイレはあまり失敗せず、自然と覚えてくれましたが、
興奮すると「うれしょん」をしてしまう事はあります^^;

家の中での犬のトイレのしつけ

犬は元来、巣や寝床を綺麗に保ちたい生き物です。自分のくつろぐ場所よりも遠くを「トイレ」とみなす犬が多いことを念頭に入れましょう。

トイレのセッティングには、寝床とトイレとを同じ囲いの中に離してセッティングする方法と、寝床とは全く別の場所にトイレだけセッティングする方法とあります。中型犬以上の場合、市販の囲いは寝床とトイレが近すぎて失敗させてしまう可能性が多いので寝床とトイレをしっかり離すことができる囲いをご自分で作成するか、トイレを別の場所に用意した方が良いでしょう。
一度粗相したことのある場所が、生活上困らない場所であればそこをトイレにするのが近道です。

家の外での犬のトイレのしつけ

散歩の最初にトイレをする場合が多いです。最初は匂いを嗅がせたりして犬のペースに合わせるのではなく足早に歩き、草や土のあるところでリードを緩め足取りを遅くし、トイレの時間とするのが良いでしょう。コンクリートの上、他人の家の前などは、片づけがうまく行かないことがありますし、ご迷惑となりますので避けましょう。

犬のトイレの号令

自分の犬のトイレをするタイミングが理解でき、してほしいところでできるようになってきたら
トイレをするときの号令・コマンドを覚えさせると、よりトイレをコントロールできるようになります。
これは盲導犬の訓練にも必ず加えられるしつけの一つです。よく使われる号令は「ワンツー」です。
でも「トイレ~」でも「シーシー」でもなんでも良いです。

トイレをしているときに静かな声でなんとなく「ワンツー」を一定のリズムで号令を唱えます。
大きな声で激しく連呼してはいけません、覚えにくいですし犬がトイレをするのに気が散ってしまいトイレをやめてしまうこともあり得ます。

この号令を繰り返すことで、車に乗せる前や、お留守番させる前など、トイレしてくれると嬉しいタイミングで「ワンツー」と先に唱えると、その号令を聞いてトイレをしてくれるようになります。

犬のトイレのしつけ、やってはいけない対処・注意点

見ていないときにしてしまった粗相はに叱ってはいけません。
人間の心情・表情を読み取れる犬は、怒られていることはきっと理解してくれるでしょう。
しかし「粗相をしてしまったから怒られたんだ」という理解はできません。
犬を混乱させますますトイレのしつけは難しくなるので絶対にこのタイミングで叱ってはいけません。

うたパパ
わが家のフレンチブルドッグうたは、トイレのしつけよりも食糞をやめさせる悩みがありました。
自分のウンチを食べるなって、人間では考えられませんが犬は違います。

でも、食糞をしてしまった痕跡を発見した後で叱っても意味はないんですね。
食糞しようとしている時に叱らないと犬は何に怒られているのかわからないので、
意味がないという事なんですね。

因みにうたの食糞は、だいぶ回数は減りましたが、まだ完全ではありません。

犬の食糞対策についてお悩みの方は、冨塚ドッグトレーナーのアドバイスも参考にしてみてください。

犬がトイレのしつけ・トレーニングに関する気になる質問

トイレのしつけ・トレーニングはいつから始めるのが理想的か?

犬をおうちに迎え入れたその日からが理想的です。
もちろんそれが仔犬であればトイレの回数が多いので失敗も多いと思いますが、それがしつけをしなくてよい理由にはなりません。すぐに始めましょう。

トイレのしつけ・トレーニングにかかる期間はどれくらい?

しつけを始めた時期や年齢や、加えて性格にもよりますが、速くて1週間~2カ月くらいですね。
もっとかかってしまう場合は必ず原因があります。
トイレのしつけにかける時間が少ない・あるいはうまくできていないことをまず考えましょう。
最近では保護犬を迎え入れる飼い主さんもありがたいことに増えていますが、そういった保護犬で外で自由にトイレをしていた期間が長すぎる、などの理由も十分考えられます。

成犬になったら、トイレのしつけ・トレーニングは無理なのか?

そんなことはありません。5歳以上の犬でもすぐに覚えてくれた例はあります。
挑戦することが大事です。

トイレのしつけ・トレーニングがしやすい犬種・しにくい犬種ってあるの?

柴犬はとてもきれい好きと言われていて我慢が得意な犬種ですが、外でしかしない犬も多いです。欧米では外でトイレをさせることが一般的というか普通なので、人気が高まっているようですが、日本でも人気が高い柴犬、外でしかしないとマンション買う方は少し困るかもしれませんね。
しかしながら、しつけの方法を知っているトレーナー達が同じ犬種を飼い続ける中でも、個体によって、覚えが悪い、我慢が苦手な子がいるな、と感じることが多々あるようなので、個体差の方が注目すべき点だと思います。

メンタル?わざと?犬がトイレを覚えない・失敗する原因と考えられること

まずは正しいしつけの方法を知らないことが大きな原因ですね。知っていてもやはりそれが十分でなく、失敗する状況を逆に作ってしまっていることが経験上多々あります。
それに加え、犬がトイレを粗相したときに飼い主さんが「あ!やったな~」などと犬に対して反応を示すことを繰り返していると、犬からしたら自分に注目してもらえたと思い、その場所でトイレを繰り返すことがあります。
嫌がらせと考えるのは擬人化がすぎると思いますが、人が大好きな犬たちが人を呼ぶ為と考えると腑に落ちます。

ウレションもよくありますね。興奮させ過ぎたり、初めての人に出会って嬉しくなって、その場でおしっこしてしまうことがありますので、普段から「これくらい触ったり喜ばせたりするとウレションしちゃうな」と把握して、触り方や声のかけ方に注意することが必要です。

水の飲みすぎや疾患が原因のことのありますから普段から自分の犬のトイレの回数を把握することが大事です。

ドッグトレーナーが飼い主から相談される、犬のトイレのしつけの悩みとは?

「見ていないときに気付いたらそこらへんにおしっこをしてしまってるんです。」
という悩みが一番多いです。
犬は確かに頭の良い動物ですが、トイレに限らずオスワリなども含めて、人間が思っているほど完璧に覚えている状態までもっていくには、正しい方法で一貫性をもって何度も何度も繰り返すことが必要なのですが、まだまだの状態で、犬をフリーにしてしまい、実は水をたくさん飲んだ後だったりして、ちょっと目を放した好きに絨毯でしてしまった、、、ということを繰り返してしまうのようです。

このようにまだ失敗することが多いときは、目を放してフリーにすることはご法度です。
失敗して落胆するループを飼い主さんが作ってしまっているのです。

目を放す必要があるときは面倒でも都度ハウスやケージに入れましょう。犬は狭い場所ではしっかりおしっこを我慢することができます。

ドッグトレーナーが教える!犬のトイレのしつけ方法まとめ

トイレのしつけで大事なことを3つ挙げましょう。

1)犬の習性を理解し、成功するように導くこと

犬にはトイレをしたいタイミングというものがあります。また、トイレをしたいときに示す行動があります。それらを知って、見極めて、してほしい場所でしてくれるよう導きます。

2)犬を習性を理解し、失敗しないように見守ること

一日数回、毎日あることなので、失敗を経験させてしまう回数も必然的に多くなります。そうすると正しく覚えるまで期間に影響が出てしまいます。
トイレを覚えてないのに毎日長時間留守にしてしまい、トイレを成功しても褒められない、うんちをしたのに片づけられない、でも帰宅後のありさまを見てイライラしてしまう、、、こんなことは人間のエゴでしかありません。しっかり「見守る時間」「しつけをしっかりする日」を忙しい中でも作りましょう。

3)根気良く続けること

仔犬の頃は当然、人間の子供のように、突然「おしっこ!!」と言って(犬は言いませんが)間に合わなかったり、回数も大人と比べて多かったり、失敗する回数は多いと考えて間違いありません。
しかし、魔法のように一瞬で覚えるしつけはありません。生理現象ですから。
自分の犬のトイレの回数や内容をしっかり把握し寄り添って根気良く続けましょう。

なんで覚えてくれないの?覚えが悪いのかしら?とイライラするのは一番良くありません。
自分の犬を信じ、平常心で日々努力しましょう。きっと効果が現れるはずですよ。

うたパパ
冨塚ドッグトレーナーのアドバイスはいつも、飼い主さんもしっかり犬の習性を理解しましょう。
その上で、しっかりとしつけをしていきましょう。
というポリシーを感じます。

私達犬の飼い主は、犬が失敗をしてしまったときに、「なんで言ってもわからないんだ?」と
ついイラっとしてしまう事もありますよね。

でも、まずはは私達飼い主が犬の事を理解する事が大切なんだと、冨塚トレーナーの記事を拝見しながらいつも勉強になっています。

フレンチブルドッグのしつけ方法についても書いて頂きました!

トイプードルのしつけはこちら。
トイプードル以外の飼い主にも参考になると思います。

冨塚トレーナーの愛犬でもある、ボーダーコリーのしつけも必見です!

犬のトイレのしつけ~ドッグトレーナー体験談

「トイレのしつけをやり直したい」とミニチュアダックスの7歳の男の子で、出張トレーニングの申し込みがありました。
トイレのしつけを再挑戦するには少し遅い年齢なので、出張をさせていただく前に、うまくいかないかもしれないですし、うまくいくまで時間がかかり、飼い主さんの根気がより大事であることお話しさせて頂きました。
この事前のご説明にご理解いただきレッスンをすることになりました。

カウンセリングを行っていくと、実は1歳くらいの若い頃はセッティングしていた部屋のトイレでしてくれていたのだけど、ある程度「あ、トイレを覚えてくれたな」と感じ始めた頃から、家の中では完全にフリーにする生活にシフトチェンジしていたことがわかり、3歳くらいからはソファやじゅうたんでするようになってしまったとのことでした。加えて、散歩では自由に歩かせ、オスワリやオイデはオヤツがあればできる時もある、というような生活でした。

おそらくトイレを75パーセントくらい覚えたところで飼い主さんが「100パーセント覚えた」としてしまい、忘れないようにすることを怠り、自由度も広げてしまい、すっかり忘れさせてしまったという状態だったのでしょう。

しかし、私がその犬と触れ合ったり、犬の飼い主さんへの態度を見ていたりする中で、もともと従順で人懐っこい、とても良い犬だということがわかり、すぐに希望が持てました。
トイレのしつけだけ強いるのではなく、基本的なオスワリやオイデなどの服従訓練を始め、お散歩も半分以上は飼い主さんのペースに合わせさせる、精神的なしつけのやる直しも並行して行った上で、以前成功していたトイレの場所を再度セッティングし、トイレのしつけのやり直しを始めました。

やり直しですから1から始めるのです。
先に述べたように、朝起きたときや運動した後など、トイレをしやすいタイミングに必ずトイレに連れていき、成功したら褒めたりオヤツをあげたりするようにしました。
数時間のお留守番をさせるときはハウスに入れて、見てあげられないときに効率よく失敗しないように導いてあげるようアドバイスさせていただきました。

すると、以前成功していた体験があったからか、1週間目にセッティングしたトイレでおしっこをするようになり、3週間程度で定着しました。

個体差がありますので、この犬の場合は早かったと言えますが、飼い主さんがトレーナーの指導通り、今までの生活を見直し、失敗を極力防ぎ、根気よく犬と向き合ったことが一番大きかったです。

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千葉県船橋市を中心に、ドッグトレーナー・ペットシッターのBandeを立ち上げあ活動するかたわら、フリーのトレーナーとして、同じく船橋にある犬の総合施設(ホテル、学校、保育園)のスタッフとしても所属。 数年前から動物愛護先進国であるドイツの動物保護施設へ足を運び、現地のドッグトレーナーとも交流。長年の夢だったイギリスの牧羊犬競技会を見に行く事を2017年に実現。 「しつけにお困りかたはもちろん、特に困ってはいないけど、もっともっといろんな事を教えたい!という方も、お気軽にトレーニングをお申し付けください。」