グレートピレニーズの概要・歴史
グレートピレニーズは、日本やアメリカではグレートピレニーズと呼ばれ、イギリスを含むヨーロッパではピレニアンマウンテンドッグと呼ばれています。
ピレネー山脈で古くから飼育されてきた犬種です。中世の頃、お城の番犬として飼育されていた記録が残っていて、ルイ14世にも護衛犬として飼育されていました。純白の被毛が美しく優雅な犬種ですが、山地で家畜の群れの警護をする犬として使われてきた使役犬で、純白の被毛も雪上での保護色だといわれています。
グレートピレニーズの性格
グレートピレニーズは、体格と同じように、気持ちも大きく穏やかな性格をしています。家畜の群れをオオカミなどの外敵から守るために使われてきたので、防衛能力や群れに対する気持ちの強さがあり、飼い主家族、人間だけでなくそのペットにも愛情を持って見守ってくれます。自信に満ちて堂々としており、冷静沈着で辛抱強い犬種です。

グレートピレニーズの種類(色やタイプ)
グレートピレニーズの色には、ホワイト、あるいはグレー(アナグマ色)、薄いイエロー、ウルフカラー、頭部・耳・尾の付け根にオレンジの斑の入ったホワイト、などです。アナグマ色のパッチはスタンダード上好まれます。
グレートピレニーズの値段・価格相場
グレートピレニーズの子犬の価格は、20万円~30万円くらいです。30万円前後で取引されることが多いようです。月齢や血統の他には、マーキングの出方によっても価格が変わります。
グレートピレニーズのしつけのしやすさ
グレートピレニーズは、温和な性格の犬ですが、番犬として作出された血統の名残で、群れを守るための警戒心や防衛能力、自分で判断する能力に長けており、それがしつけの難しさに影響する面も否めません。きちんとコントロールできないと、体の大きさから、引かれてケガをした、という話もしばしばありますので、子犬の頃からしっかりと訓練しておくことが望まれます。
グレートピレニーズの寿命
グレートピレニーズの平均的な寿命は、10歳~12歳くらいで、大型犬としては平均的な寿命です。
グレートピレニーズの飼いやすさ
グレートピレニーズは、大型犬ですので誰にでも飼いやすい、という犬種とはいえないかもしれません。餌代や薬代、広い飼育スペース、お散歩にかける時間、空調管理のための電気代等々、お金、時間、手間もかかり、家族全員の協力も不可欠です。グレートピレニーズのためになら!という人には、大変さ以上の魅力のある犬種ですね。
グレートピレニーズのブラッシングや抜け毛などの処理
グレートピレニーズは、モフモフ、ふわふわ、の真っ白な毛並みも魅力のひとつです。この被毛は、ダブルコートで分厚く、普段から抜け毛は絶えません。毎日きれいにブラッシングして、毛玉にならないようにしてあげましょう。カットなどのトリミングは特に必要ありませんが、美しい白い被毛をキープする為に、月に1回はシャンプーしてあげましょう。
グレートピレニーズの散歩
グレートピレニーズは、山岳地帯で家畜の警護にあたっていた犬種ですので、運動量は多く必要です。1回1時間程度の散歩を1日2回は行きましょう。暑さにはめっぽう弱いため、夏場は涼しい時間を選ぶ必要があります。

わが家のフレブルうたも、暑さに弱く、散歩に連れていけと騒ぐのに、外にぐったりしてしまう事があります。
夏場の散歩は、夕方涼しくなってから行くようにしていますが、散歩中もまめに水を飲ませるようにして、様子を見ながら散歩しています。
わが家のフレブルなら途中で歩けなくなっても抱っこして帰ってこれますが、グレートピレニーズの様な大型犬は抱っこでは帰って来れませんもんね^^;
グレートピレニーズの室内で飼うにあたって気になること
グレートピレニーズは山岳地帯の出身で、高温多湿は苦手です。熱中症は命に関わりますので、夏場は24時間体勢で温度管理を必要とします。体が大きいため、それなりのスペースが必要で、体重があるので関節に負担をかけないよう、床に滑り止めをしたり、高い場所に上れないようにしたり、といった工夫も必要でしょう。よだれの量も多いため、拭き掃除も頻繁にしなくてはいけないかもしれません。
グレートピレニーズの子犬の時の大きさや体重
グレートピレニーズの子犬は、生後4か月の頃には18~20kgを超えるくらいまで成長します。急激に大きくなる犬種ですので、後々関節に異常が出ないよう、栄養バランスに気をつけ、動物病院で体重指導を受けるのもよいでしょう。
グレートピレニーズの成犬の時の大きさや体重
グレートピレニーズの成犬のサイズは、体高63~81cm、体重39~45kgです。グレートピレニーズのような大型犬の場合、2歳くらいまでに時間をかけて成犬サイズに育てるのが健康上好ましいとされています。
グレートピレニーズの吠え声の大きさなど
グレートピレニーズは家畜を守るため、外敵からの防衛の方法として吠えたてて威嚇し、無駄に攻撃することを避けてきました。攻撃的でない代わりに吠える犬種です。大型犬で声の威力も十分ですので、日本の住宅街で飼育する場合は、屋内で飼育するのはもちろん、パピーの頃からの社会化とトレーニングを施し、場合によってはプロのトレーナーの力を借りてトレーニングする必要があるかもしれません。
グレートピレニーズの餌について
グレートピレニーズは食欲旺盛なことが多く、肥満傾向になりやすいため、フードの量や質をしっかり管理してあげましょう。背中が平らになってきたら太り過ぎです。かかりつけの獣医師に相談して体重管理をしてもよいでしょう。
グレートピレニーズのかかりやすい病気
グレートピレニーズのかかりやすい病気は、股関節形成不全、膝蓋骨脱臼です。体重が増えすぎて関節に負担をかけないよう注意が必要です。日本で飼育する場合、高温多湿の環境では熱中症にも注意が必要です。夏のお散歩中、さっきまで元気だった犬が突然危篤状態になるようなこともあります。犬は人間よりも体温調整が苦手だということを意識しておきましょう。
名犬ジョリーで有名なグレートピレニーズってどんな犬?まとめ
アニメ「名犬ジョリー」をみて、グレートピレニーズに憧れた人も多いのではないでしょうか。子犬のときの愛くるしさ、成犬になってからの優雅さやフレンドリーさ。魅力に溢れた犬種です。でも、その大きさや性質、暑さが苦手なところなど、飼育するにあたって、ハードルの高さもなかなかのものです。適切に飼育できる環境、満足なトレーニング、そして惜しみない愛情を提供できる人には、苦労があってもおつりがくるほどの素晴らしい犬種なのは間違いないでしょう。
ブリーダーの長い研究と努力により、忍耐力や気高さ、勇敢さなどは残しつつも魅力的な部分は残した今のグレートピレニーズにたどり着いたのだそうです。
犬の性格や性質も、歴史の流れ中で現在に合うように少しずつ変化していくのですね。