トイプードルのしつけのコツや方法・注意点を冨塚ドッグトレーナーがアドバイス!

ABOUTこの記事をかいた人

千葉県船橋市を中心に、ドッグトレーナー・ペットシッターのBandeを立ち上げあ活動するかたわら、フリーのトレーナーとして、同じく船橋にある犬の総合施設(ホテル、学校、保育園)のスタッフとしても所属。 数年前から動物愛護先進国であるドイツの動物保護施設へ足を運び、現地のドッグトレーナーとも交流。長年の夢だったイギリスの牧羊犬競技会を見に行く事を2017年に実現。 「しつけにお困りかたはもちろん、特に困ってはいないけど、もっともっといろんな事を教えたい!という方も、お気軽にトレーニングをお申し付けください。」

日本ではすでに10年以上の間、「トイプードル」が一番人気の犬種です。
日本の働き方や住環境から、多くの愛犬家が小型犬を飼っていて、なおかつトイプードルは不動の人気を誇っています。
しかしながらその人気の陰で、しつけに困っている飼い主さんも多いようです。
誰もが知る人気犬種の飼い方・しつけ方をもう一度見直してみましょう。

トイプードルの性格と特徴

トイプードルは大型犬であるスタンダードプードルをもとに小型化するために品種改良されました。
スタンダードプードルは、運動能力、判断能力とも高く、ボーダーコリーやシェパードと方を並べるほど頭が良いと実証されています。性格も明るく人が大好きです。
また、水猟犬として活躍してきた犬種なので、水をはじきやすく加えて抜けにくい被毛をしていいます。
そして小型化されたトイプードルは、それらの特徴はほぼ変わりなく持ち合わせており、加えて小さく愛らしい姿が人気を集める理由となっています。

トイプードルのしつけの難しい点

実はトイプードルにはもともと際立って悪い特徴というのは特にありません。
トレーナーの経験上、臆病でどうしようもない子がいたという記憶はあまりありませんし、頭も良いので、小さい頃から愛情をもって基本的なことを教えていれば、非常に飼いやすい犬だと思います。
しかしながら、有名で人気のある犬種というのは、犬を飼うことが初めてである飼い主さんが犬を飼おうと思ったときに選択肢に上がりやすいという傾向があります。

・お友達が飼っているから飼いたいな、と子供が希望したので飼い始めた。
・犬アレルギーがあるけどどうしても犬が飼いたくて調べていたら、トイプードルは毛が抜けないのでアレルギーの人でも飼えるとわかりトイプードルに決めた。
・小さいからアパートでも飼えるし、ペットショップで一目ぼれをしてしまった。
などなど。。。色々な人が「トイプードルなら飼ってみたい、飼える」と思って飼い始めているようです。

もしそのような飼い主さんたちが、少ししつけに困ることがあっても「対策がわからない/対策がわからなくても大型犬のように困り果てるほどでもなくしばらく放置してしまう」という連鎖が、しつけに困っている飼い主さんが増加する要因のようです。

では上記のような事態になった場合どのようにすればよいのか、紐解いていきましょう。

トイプードルのしつけでの注意点

トイプードルの可愛さに甘やかすだけはNG

小さいからといって、可愛がるだけでは絶対にいけません。
でも、ただただ人間のルールを押し付けるだけでも犬にとっての負担の方が大きくなってしまい良くありません。

トイプードルは運動は必要ない?はウソ

とくに「小型犬」というだけでよく陥りがちな傾向は「運動はあまり必要ない」という考えです。

トイプードルは先に述べたように、元来運動能力が高く活発な犬種です。
部屋の中で多くを過ごさせて、週に数回しか散歩に出かけないような飼い方はすべきではありません。

運動が足りていないと部屋の中で落ち着きが無くなり吠えることも多くなります。
できるだけドッグランのような走り回れる場所に連れて行ってあげたり、ボールなど走って遊ぶ道具を用いて十分な運動をさせてあげましょう。

外で遊ぶことができず常にストレスがたまっている中、更にお留守番が長時間に及んでいた場合、飼い主さんが帰ってきて大暴れし、ソファに乗ったり下りたり、家の中を走り回ったりしてしまうでしょう。

骨が細く華奢なトイプードルは「膝蓋骨脱臼」にも特にご注意を

床がフローリングの場合には、走っているときやソファから飛び降りたときなどに横滑りし、トイプードルなどの小型犬に時々見られる「膝蓋骨脱臼」を引き起こすことも考えられますので、まずは十分な運動をさせられるよう環境や生活を整えましょう。

基本コマンド「オイデ・マテ・オスワリ・フセ・ハウス」はしっかり教える

十分な運動をさせてあげた上で、基本的な「オイデ・マテ・オスワリ・フセ・ハウス」といった言葉を、家の中でもお散歩中でも、更にできればドッグランでも聞いてくれるようにしっかり教えましょう。
これも先に述べたように、判断能力が高い犬種ですから、愛情と一貫性をもって教えればすぐに覚えてくれます。
一緒にカフェに行ったりペンションに泊まったり、ドッグライフを楽しめるようになるためにも教えておいた方がよいでしょう。

トイプードルのしつけの悩みでよくある相談

トイプードルの飼い主さんの悩みTOP3

・無駄吠え
・落ち着きがない
・噛む

これらがお悩みの中心となっています。もう少し細かく見ていきますと、、、

トイプードルの飼い主を悩ます問題行動事例

・首輪やリードをつけるときに大人しくつけさせてくれない。
・お散歩に出かけるとわかると、はしゃいで飛んだり跳ねたりする。
・散歩のあとに足を拭こうとすると唸ったり噛んだりして抵抗するようになってしまった。
・一緒にベッドで寝るようになったら、どかそうとする唸ってきてベッドを占領するようになってしまった。

こういったことが挙げられます。しかも小型犬であるがゆえ、早急に対処しなくても、抱っこして抑え込んだり、噛まれる場面を避けることで「なんとかしている」飼い主さんが多いようです。

でも本当は、首輪をつけることなど日常茶飯事であるから大人しくつけさせるようにするべきです。小さい子供の前や他の犬の前で飛んだり跳ねたりすると思わぬ事故につながります。

もし、可愛い愛犬トイプードルにベットを占領されら?正しい対処法

ベッドは人間のものですから占領されてはいけません。

それを解決する為の流れはこうです。。。
1:普段から「オイデ・マテ・オスワリ・フセ・ハウス」。これらの言葉を教えておき、場面に合わせて言葉を選び、犬に要求・指示をする。
2:要求したにも関わらず、犬がはしゃぎすぎたり唸ったりという「悪い行動」を示してきたら、手を叩いて大きな音を出したり、「コラッ」など短く強い言葉を使って瞬時に叱り「悪い行動」をストップさせる
3:もう一度やってほしい言葉をなげかけ、言うことを聞かせ、できたら褒める

では実際に「首輪やリードを大人しくつけさせる」を課題に見ていきましょう。
1:大人しくできるように「オスワリ」を指示する
2:言うことを聞かずにフラフラ動いて、まだまだつけられない状態になってしまったら「コラッ」と言って叱る
3:叱られたので少しシュンとしたところにもう一度「オスワリ」の指示をし、言うことを聞いてくれたので改めて素早くリードをつけ、頭を優しくなで、散歩に出発した。

このような流れになります。
この流れを守って日々の生活で欠かさず実施すると、やがて「2」の「叱る」がなくなり、すっと何事も受け入れてくれる犬になっていきます。
流れが守られなかったり、要求したりしなかったり、不安定に実施していくと、犬が叱られっぱなしにになりやる気を失ったり、「オスワリ」を連呼するだけで何も進まない状態に陥ったりします。

犬に覚えてほしいならば、飼い主さんもしっかりこの流れを覚えましょう。

トイプードルのしつけ体験談

まだ4ヶ月のトイプードルのしつけに行きました。
基本的には大人しく人懐こい男の子でしたが、まだたったの4ヶ月の仔犬が、既に唸ったり噛んだりするようになっていました。

子供たちが多いご家族で、とくに子供に向かって唸ったり噛んだりすることが多かったのですが、なんとお父さんにも容赦なくそのようなことをするようになっていました。

クレート内でくつろいでいるときに外に出てほしくても、手を出すと唸ってきて、ひどいときにはそのまま噛みつくほどでした。
これはこのまま放っておけば、将来は流血するケガを引き起こすほど噛むようになってしまうだろうことは明らかでした。

お父さんも子供たちも基本的にその子を叱ることはありませんでした。
唸られて怖いから子供たちは特にそのような場面を避けるようになり、お父さんはお仕事がとても忙しく「言う事を聞かせるコミュニケーション」自体が明らかに不足していました。

まだ小さい仔犬であっても「この人の言う事は聞かなくてもよさそうだ」「今自分は言われたことをやりたくないから唸ってみよう、唸ってみてやらなくて済んだらラッキーだ」などと、考えたり判断したりする頭脳を持ち合わせていることがわかります。

そこでお父さんに、クレートに入れてくつろぎ始めたら、出てくるように仔犬に要求し、呼んでも出てこなかったら手を入れて体に触って出てくるのを促すようにやってもらいましたが、すぐに唸って抵抗したため、クレートを上から思い切り叩き、大きな音をたて驚かせました。
それを数回くりかえし、外に出てくることができたら優しく心を込めて褒めました。
そしてこの練習をいつもしっかりやるようにしたら、呼んだらすぐにクレートから出てくれるようになりました。

トイプードルという飛びぬけて愛くるしい姿で、しかもまだ仔犬であるのに、唸ったり噛んだりすることにとまどう飼い主さんは多いようです。
これが、初めての犬として飼いやすそうなトイプードルを迎えたつもりの飼い主さんが遭遇してしまったらよりとまどうことは容易に想像できます。
でも仔犬の頃に、このような悪い行動はしっかり叱り、よくできたら褒めてあげることをすれば、受け入れて良い子になってくれるのも早いです。

小さい犬だからといってトイプードルを甘くみてはいけません。犬は犬です。
そこをしっかり頭に入れて、甘やかすだけではない、確固たる愛情を注ぎ暮らしていきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

千葉県船橋市を中心に、ドッグトレーナー・ペットシッターのBandeを立ち上げあ活動するかたわら、フリーのトレーナーとして、同じく船橋にある犬の総合施設(ホテル、学校、保育園)のスタッフとしても所属。 数年前から動物愛護先進国であるドイツの動物保護施設へ足を運び、現地のドッグトレーナーとも交流。長年の夢だったイギリスの牧羊犬競技会を見に行く事を2017年に実現。 「しつけにお困りかたはもちろん、特に困ってはいないけど、もっともっといろんな事を教えたい!という方も、お気軽にトレーニングをお申し付けください。」