
アイリッシュウルフハウンドの概要・歴史
アイリッシュウルフハウンドの歴史は古く、西暦393年に最初の記述が残されているほどです。当初はアイルランドのケルト民族がオオカミ狩りの猟犬として飼育していました。中世には贈り物としてヨーロッパやスカンジナビアの王室に渡り、珍重されたといいます。森林の開拓によりオオカミが減少すると、アイリッシュウルフハウンドの数も減りましたが、アイルランドでナショナリズムが高まると共にこの犬の再興が図られ、ボルゾイやグレートデーンなどを交配に使い、現在の姿になりました。
アイリッシュウルフハウンドの性格
アイリッシュウルフハウンドは、穏やかな平和主義者です。「家庭では子羊のようで、獲物を追っている時はライオンのよう」といわれ、「ジェントルジャイアント」という異名を持つほどです。人にも犬にも寛容でフレンドリーで、状況判断も得意です。おおらかさが大胆さにつながり、しばしば想定外のハラハラが起こることもあるようです。
アイリッシュウルフハウンドの種類(色やタイプ)
アイリッシュウルフハウンドの毛色は、グレーやブリンドル、レッド、ブラック、ピュアホワイト、フォーンなどです。
アイリッシュウルフハウンドの値段・価格相場
アイリッシュウルフハウンドの子犬は、30万円~40万円くらいで販売されることが多いようです。ペットショップで販売されることは殆どないため、ブリーダーから直接購入することが多い犬種です。
アイリッシュウルフハウンドのしつけのしやすさ
アイリッシュウルフハウンドは、その大きさの割に、扱いやすい犬種といわれています。社会性、協調性に富み、状況判断もよく、訓練されることも厭わない、というのがその理由かもしれません。でも、超大型犬ですから、本人に悪気がなくてもとにかく力が強大ですので、完全にコントロールできるように、子犬のころからの社会化としつけは必ずすべき犬種です。
アイリッシュウルフハウンドの寿命
アイリッシュウルフハウンドの寿命は、6歳~10歳くらいといわれています。比較的短命といわれる大型犬の中でも特に身体の大きい犬種ですので、短い傾向になってしまうのかもしれません。一般の飼い主さんからデータを集め、アイリッシュウルフハウンドの寿命について統計的研究が行われています。研究結果が健全なブリーディングに生かされるといいですね。
アイリッシュウルフハウンドの飼いやすさ
アイリッシュウルフハウンドは、性格的にはとても扱いやすい犬種ですが、特大の身体で、膨大な運動量を必要とします。大型犬の飼育に慣れた人に向いています。加えて、飼育するには大きなスペースが必要で、日本の都市部の一般的な家庭での飼育はちょっと難しいかもしれません。
アイリッシュウルフハウンドのブラッシングや抜け毛などの処理
アイリッシュウルフハウンドの被毛は、テリアのように硬くごわついています。これを本来の姿にキープするには、定期的に伸びた毛を抜くお手入れをします。普通は週に1~2回のブラッシングを行えばOKです。清潔に保つために定期的にシャンプーしますが、身体が大きいのでお家でするのは大変かもしれません。毛を抜くストリッピングとあわせ、トリミングサロンにお願いしたほうがいいかもしれません。
アイリッシュウルフハウンドの散歩
アイリッシュウルフハウンドは活動量が豊富です。毎日1時間以上の散歩を朝晩2回はしてあげましょう。時々走らせてやると本能が満たされて満足します。
アイリッシュウルフハウンドの室内で飼うにあたって気になること
アイリッシュウルフハウンドは身体が大きいので、自由に動き回れる室内のスペースと、お庭にもスペースがとれると理想的です。ベッドなど、くつろぐためのスペースも大きいものが必要です。超大型犬で関節などを傷めやすいため、床は滑らない、できれば柔らかい素材のものがいいでしょう。
アイリッシュウルフハウンドの子犬の時の大きさや体重
アイリッシュウルフハウンドの子犬は、生後3か月で20kgくらい、生後半年で40kgくらいまで育ちます。超大型犬の子犬は目を見張るほど急速な成長ぶりです。
アイリッシュウルフハウンドの成犬の時の大きさや体重
アイリッシュウルフハウンドの成犬の大きさは、体高71~90cm、体重40~55kgです。大きな雄では80kgになることもあるようです。
アイリッシュウルフハウンドの吠え声の大きさなど
アイリッシュウルフハウンドは、寛容でおおらかな性格なので、人間の子供や犬に対して吠えたりすることはあまりしません。無駄吠えが多い犬種ではありませんが、身体が大きいので吠えると大きな声です。子犬の頃からしっかりと社会化としつけをしておきましょう。
アイリッシュウルフハウンドの餌について
アイリッシュウルフハウンドは一般的な総合栄養食を与えればよいのですが、身体が大きく、食べる量も大量になります。胃捻転を起こしやすい犬種ですので、フードのお皿は地面に置かず、台に乗せるなどして、無理のない姿勢で食べられるようにセッティングしてあげましょう。食後すぐの運動は避け、しばらくはゆっくり過ごさせるようにしましょう。
アイリッシュウルフハウンドのかかりやすい病気
アイリッシュウルフハウンドのかかりやすい病気には、先天的な股関節形成不全、胃捻転、拡張型心筋症、眼疾患などがあります。
アイリッシュウルフハウンドってどんな犬?まとめ
世界一の背の高さを誇るアイリッシュウルフハウンドは、時々「犬にみえない」といわれるほどの大きさが魅力です。飼育スペースや、膨大な運動量、そして大きな身体、飼い主を選ぶ犬種ではありますが、昔、王室の人々が魅了されたように、現在でもたくさんの人々に「一度は飼ってみたい」と思わせる、魅力に溢れた犬種です。
アイリッシュウルフハウンドは、骨格や筋肉の付き方など、同じ視覚ハウンドの犬種とも共通する部分が多いです。
アイリッシュウルフハウンドの歴史は府来る、約2000年前からアイルランドに生息していたと言われています。
1800年代半ばに一度絶滅の危機にあった様ですが、英国軍将校のG.Aグレアム大尉によって再創造されたとされています。
筋肉の付き方や全体的な骨格はグレイハウンドとも似ているアイリッシュウルフハウンドですが、荒っぽいワイアー上の毛をまとい、顔だけ見るとジュナウザーをおじいちゃんにした様な顔にも私には見えてしまいます。
アイリッシュウルフハウンドと似た顔つきの犬種でディアハウンドという犬もいます。
今回は、とても歴史のあるアイリッシュウルフハウンドについて見ていきましょう。